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引き続き、会社に根本規則である『定款(「ていかん」という。)の定め方』を書いていきます。今回は、「株式」について詳しく書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

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1.そもそも「株式」とは

定款の「株式」の章には、会社が発行可能な株式の数や種類、株券発行の有無など、文字通り、会社で発行する株式に関する事項を記載します。

株式会社は、出資の対価として、出資者に株式を交付するのが一般的です(社債や新株予約権という方式もありますが、それについては別記事で書きます。)

株式の交付を受けた出資者は、その会社の株主となり、経営者の一人となります。

株主は原則として、株主総会で所有する株式数に応じた議決権を有し、会社にとって重要な事項の決定を行います。

また、役員の選解任権(総会決議事項)もありますので、会社の利益にならない行動をする役員を解任することも可能です。

出資金によって、会社の資金は潤沢になり、事業活動を円滑に行うことができますので、その対価である株式は、会社にとっても「血」と言えるものです。

したがって、潤沢かつ良質な血液を注入してもらうために、出資の判断材料の一つである定款の整備をきちんとしておくべきです。

2.発行可能株式総数、種類及び内容

発行可能株式総数とは、字のごとく、会社が発行できる株式数の限度枠です。

発行する株式の全てが、譲渡制限付株式の会社(以下「非公開会社」といいます。)では、この枠に制限はありません。

とはいえ、この枠は事後的に株主総会決議により変更できますし、実際に発行している株式数に比例して何十倍・何百倍も限度枠があるのは、バランスが良くないため避けた方がよいでしょう。

また、優先配当権や一定事項のみ議決権を有する株式等、会社法107条及び108条に規定する内容の株式を発行することができ、その内容を定款に定める必要があります(詳細の説明は今回は省き、別記事にて記載します。)

さらに、数種類の内容の異なる株式を発行する場合には、各種類の株式の限度枠を定款に定める必要があります。

3.株式の譲渡制限

譲渡制限規定とは、会社役員やオーナーにとって好ましくない人に勝手に自社株式を譲渡されるのを防ぐために、株式の譲渡をするには、取締役会等一定の期間の承認必要とすることです。

上場企業以外の会社の殆どが、全ての株式に当該規定を設けており、また設けるべきです。

なお、会社法下では、譲渡制限規定も、優先配当等と同様、株式の内容の一種類ですが、定款の記載上も株式の内容とは別に定めたほうがよりよいと考えます。

4.株券不発行・株券発行

会社法下では、定款にこの点を何も記載しない場合は、株券を発行しない会社(以下「株券不発行会社」という。)となります。

ですが、会社法施行前から存在し、かつ施行前に株券不発行でない会社の定款には、株券を発行する旨の定款の定めがあるものとみなされます(会社法施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第76条4項)。

つまり、会社法施行後に何もしていないと、殆どの会社が株券を発行する会社(以下「株券発行会社」という。)です。

非公開会社の場合には、株主から請求のない場合には、株券を積極的に発行する必要はありませんが、株式譲渡をする場合には、株券の交付が効力要件です。

株券不発行会社であれば、株式譲渡に株券交付の必要はございませんので、ムダなコストがかかりません。

通常、中小企業や創業間もない会社であれば、現実には株券を発行していない会社が殆どでしょうから、定款を変更して、株式不発行会社となることをお勧めします。

また、ベンチャーキャピタル等から出資を受ける際には、株券不発行会社となることを要求されることもありますので、今のうちに定款変更しておくと、いざというときにあわてて手続きする必要がなくなります。

5.株主名簿に関する事項・株主名簿管理人・株式取扱規定

設立当初は、株主名簿の取扱いや株式質入に関する事項は、定款に記載している会社が殆どだと思います。

定款に「株式の取扱いに関する事項は、取締役会で定める株式取扱規程による」としておけば、それらの事項はすべて株式取扱規程で定めることができ、株式取扱規程は、株主総会の決議なしに、取締役会で適宜変更ができます。

また、上場前等、株主が多数に及び、会社で管理が不可能になった場合には、その事項を信託銀行等に株主名簿管理人として委託することができます。

その場合には、株主名簿管理人を置く旨を定款に定める必要があり、名簿管理人の詳細は、株式取扱規程に定めれば足ります。

6.まとめ

上記以外にも、「株式」の章に規定すべき事項は多々あります。

さらには、拒否権付株式や取得条項付株式など、様々なタイプの株式を発行することが可能であり、その内容も「株式」の章に規定します。

とはいえ、何でも置けばいいということではなく、会社のスタイルに合わせたものを選択すべきです。

それらの判断を、社長・役員のみで行うのは困難だと思われますので、専門家にご相談下さい。

 

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